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第83回九州FA技術セミナーを、4月12日(金)に開催しました。
2019-04-16
今回は「産業用ネットワークの基礎知識」というテーマでシーメンス株式会社様に講師を務めていただき
ました。


前半は産業用ネットワークの現在に至るまでの歴史と、シーメンスが推奨している産業用イーサネット
であるPROFINETについてご説明いただきました。

これからのFA現場で求められるネットワークとは、工場内の製造設備の連携を取るための水平統合と、
生産データをクラウドまで上げて企業経営に生かすための垂直統合を可能とするネットワークです。

PROFINETであればこれらの製造設備の水平統合と生産情報の垂直統合を同時に実現することが可能だと
ご説明いただきました。

PROFINETの大きな特徴の一つとして、安全制御の通信を制御通信と混在させて1本のイーサネット
ケーブルで利用できることは、省配線にもつながり非常に魅力的であると感じました。


後半はOPC UAという通信規格とセキュリティについてご説明いただきました。

OPC UAとは、2008年に発表されたOSに依存しないイーサネットベース(TCP/IP)の通信規格で、セキ
ュリティレベルが高く、マルチベンダーに対応していることなどから、インダストリー4.0の推奨通信
規格として指定されています。

これからは、工場の制御ネットワーク(OTネットワーク)と事務所の情報ネットワーク(ITネットワーク)
を繋げていくことが求められます。このOTネットワークとITネットワークを繋げる架け橋のような役割
を担う通信規格です。

また、このOPC UAの説明の中で、インダストリー4.0とIoTの違いについてもご説明いただきました。

IoTとは、現場のセンサ等のデバイスからPLC等のコントローラなどを繋げてその情報を上位のエッジ
コンピュータやクラウドに上げていくといったような主に生産工程に関する取り組みですが、インダス
トリー4.0は生産工程のみならず、設計工程とも繋いで、生産結果を設計側や他拠点の工場などにフィ
ードバックしていくといったバリューチェーン全体に関わる取り組みを指すということをご説明いただ
きました。

インダストリー4.0もIoTも同義語のように捉えていたので、目から鱗が落ちる思いを味わいました。


最後にセキュリティについてもご説明をいただきましたが、セミナーアンケート回答でもこのセキュリ
ティの部分が最も関心を集めていました。

事務所のITネットワークは機密性が優先事項ですが、工場のOTネットワークに求められるセキュリティ
の優先事項は可用性(生産を止めないこと)であることをご説明いただきました。

アメリカの自動車工場やイランの核施設でのセキュリティ・インシデントの事例をご紹介いただき、シー
メンスが世界で最もサイバー攻撃を受けた経験のあるメーカーであること、そしてその教訓を元に対策を
強化してきたことをご説明いただきました。

日本ではサイバー攻撃を受けないための予防的な対策がメインとされていますが、グローバルな考え方と
しては、サイバー攻撃は受ける可能性があるものとして認識し、攻撃を受けた際にいかに早く検知して現
場を復旧させるかということをセキュリティ対策の基本としていることをご説明いただきました。

これからインダストリー4.0やIoTが加速していく中で、適切かつ迅速なセキュリティ対策でリスクを最小
限にしていくことが非常に重要であることを学びました。

受講されたお客様からは「これから求められる産業用ネットワークについて学ぶことができたので、来てよ
かった」や「セキュリティの考え方を改めないといけないかもしれない」といったご感想をいただきました。

創ネットでは、今後も技術セミナーを通して、お客様のお役に立つ情報発信を続けて参ります。

何かございましたらお気軽にご相談いただければ幸甚です。

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